「あ/ゝ/、/荒/野」―千/秋/楽―

観に行きました。

人生初の舞台観劇でした。とにかく「すげえもん観た」この一言に尽きると思います。



じゅんが新次を演じてる間、この世から松/本/潤/は消えたと言っても過言じゃないくらい、そこにいるのは紛れもない「新/宿/新/次」でした。すごくびっくりしたの。表情も声だってぜんっっぜん違うんだよ。なんの心配もなくスッと気持ちが入っていけて、安定感以外のなにものでもなかったです。だから舞台の間中、あーんじゅんかっこいいよおおお><とかそういう邪念に囚われることなく集中して観ることが出来ました。とは言えやはりあの派手派手アロハを脱いで、惜しげもなく晒したそれは「肉体美」と言う言葉以外にどう表現すればいいのやら。鍛え上げられた腹筋、胸筋、肩、腕の筋肉、見事な逆三角形の上半身が真っ白で発光しまくりでした。ビカーー!!とにかくこんなの見たことねえっ!ってなくらい神ががった美しさです。劇中、新次が上半身をあらわにして「この肉体が俺だー!!!」って叫んだ時、それを勝る勢いで「ギャーーー目が殺られる!!」って叫びました心の中で。新宿先輩かっこよすぎてマジでビビるし!!*1

さて肝心の舞台内容の感想ですが、舞台初観劇の上、ずぶの素人、ましてやおつむてんてんの自分なんぞがその内容を深く理解しえるはずもなく。ただ、バリカンの抱えているコンプレックス故の生への実感のなさ、愛したいから愛されたい、本気で憎んでみたいと想う気持ち、ここではないどこか遠くへ行って違う自分に生まれ変わりたいという願い、だけど結局どこへ行っても変われることなんて出来なくて。対する新次は自分に与えられたものは全て手にしてどんなことでも受け入れてヒーローになる、自分の時代を作ってやるって言う強く生命力に溢れた男で、バリカンには眩しく憧れだった。コンプレックスに囚われてるバリカンが自由になるためには結果的に死しか選択がなかったことがやるせなくて切なくて仕方なかったです。と、ここまではだいぶバリカン目線になってしまっていたのですが、はて?では新次はどうなの?と後から考えたら、親友の死しかも自分で殺したそのことさえも受け入れて生きていかなきゃいけない悲しさがあって。そうまでして手に入れたものは新次の目にどう映ってるのかな?どこまで手に入れたら新次は満足するのかなって考えた時、この人はどこまでいっても満たされることはないのかもしれないなと。それはそれでとても虚しい。「ふりむくな ふりむくな 男のうしろにあるのはいつも荒野だけだ」という詩がとても新次を象徴していたように思いました。う〜んやっぱ生き残った方が背負うもんってどでかいよなあ・・・。
なにはともあれ、観劇するのにかなりの精神力が必要な舞台だったという感想です*2。観終った後はぐったりだし、しばらく呆然自失。それだけ強烈な印象として心に残るお芝居だったです。*3

カーテンコール、何度も出てきては両手を高く上げ会場を見まわして深々とおじぎをするじゅんはすごく優しい顔で微笑んでいました。何度目かのカーテンコールで上から赤いキラキラがワサーーっと降ってきて、それが真っ白なじゅんとのコントラストで素晴らしく美しかったです。なんつーかもうじゅんそのものが芸術作品です。そしてそれを目を細めて眩しそうに嬉しそうに見上げるじゅんの顔が本当に充実した表情をしていてあの顔は忘れられないなあと思いました。拍手をしながら後ろを振り返ったら、2階席もびっしり満員でみんなスタンディングオベーションでそんな光景がとても感動的だったし、蜷川さんが出てきて「おつかれさん頑張ったな」とでも言っていたかのようにじゅんの胸をトントンってしたのがまたグッときたし、なにより小出くんとこぶしをコツンと付け合せたり、肩を組んで袖にはけて行ったりそういうのを見て、同じ作品を作り上げてきた仲間としてすごくいい関係が築けたんだなあと思ったら、もう色んなことが全部全部嬉しくて本当に嬉しくて心の中で何度も“じゅんよかったね”って言いました。この舞台を今の松/本/潤で演じられたことにきっと何か意味があったんだろうなあと、そんな風に思わずにはいられなかったです。本当にいいお仕事ができてよかった。じゅん本当におつかれさまでした。そして最高の舞台をありがとうございます。*4


そう言えば、劇中ジャングルジムが出てくるんですけど、そのてっぺんに立って「この世は全て幻だー!!」みたいなことを新次が叫ぶんです。もうそれがほんっとーーにかっこよくて、めっちゃライオンキングみたいでした。プライドロックで吠えるシンバ的な!!

*1:ちなみに、座席が通路側だったのでちょいちょい新次が横を通るんですけど、ガッツリ見ていいもんか、横目でチラ見くらいのほうがいいのか迷ってガッツリ見ました。ありえねえくらい顔ちっさいです。そんでオーラはんぱなかった。その横でドギマギしている自分との構図が芸能人と一般人の格差を肌で感じた一瞬でした。

*2:じゅんの美しさを目の当たりにしたことも含め

*3:でも・・・正直なこと言っちゃうと話がムズイ!!

*4:ところで、出来ればその肉体を福岡までキープしていただけるとわたしとっても嬉しいんですけどどうでしょう?何卒ひとつラストシェケまでそのままで!