ほのお

復活上映した青/の/炎を観に行きますた。
何度も見返したくなるような作品ではないけど(つまらないとかではなく、内容がわりとヘビーなので)、スクリーンで観れてよかった。スクリーンの中のニノちゃんは、そりゃもうすっかり櫛森秀一で大事な家族を守るための正義が間違った方向へ向かってしまうまでの心理描写をすごくうまく演じていて、この年頃の少年の危うさとか繊細さがとってもみずみずしかった。秀一はきっとすごく頭のいい子だから、理性を持って冷静に考えればもっと違う選択ができたはずだけど、それさえ出来なくなるほどの憎しみの感情に支配されちゃったのはやっぱり17歳だなあと思った。17歳ゆえの詰の甘さが悲しかった。映画の冒頭と最後が同じ描写で、ガレージ部屋の電気をひとつずつ消していって真っ暗になったところからのシャッターを開けると眩しい外の光が一気に飛び込んでくるの。でもその先秀一が向かう道は最初と最後では決定的に違うわけで。海沿いの道、ロードレーサーをこぐ秀一の頭上は真っ青な夏の空で、楽しいことしか待ってないようなこの空の下で自ら命を絶ちにいくってどんな気持ちなのか考えたら本当に胸が苦しくなります。誰も救われない最後は辛すぎるよ。悲しい結末ではあるけれど、どうしようなく胸に残る作品で、あのタイミングでにのちゃんがこの作品にでられたことは本当に奇跡だったなあと思う。にのちゃん作品色々好きですけど、個人的にこれ超えられるのは今のとこない。って書いたらにのちゃんに失礼なんだろうけど。鑑賞後あんまりどんよりしたので、サ/イ/ゼ/リ/アでデザート食べて帰りました。どんよりした気分で食べたチョコトリュフアイスの味忘れないよ。また数年後に観よう。